ペーパーレス時代のジャーナル・情報発信戦略

情報の発信と、収集手段の多様化

紙を媒体として郵送にて「会員へ情報を届ける」という役割を担ってきたジャーナルや大会抄録集ですが、時代とともに環境は大きく変わり「情報を得る・伝える」方法も会員の方々の「年齢」「勤務環境」「生活スタイル」など様々な要因から多岐に渡っています。こういった様々なシーンに合わせた情報発信は、会員サービスの向上や、新会員入会の促進へとつながります。
今回は、長年数多くの学術ジャーナルを手がけてきた経験と数多くの学協会様のお手伝いをさせていただく際に蓄積したノウハウを活かして「ペーパーレス化」のご提案をさせていただきます。

ペーパーレス化における課題

ペーパーレス化にあたり、ただ単に紙をなくすだけでは、下記の問題点が生じます。

  • 紙の冊子のように使い方に迷うことなく、どこでも読めるものでは無くなる
  • 1冊にまとめられていた情報が、種類によって分けて発信される
  • これまでは待っていれば手元に届いていたものが、自ら取得しに行かなければならない
  • 「広告」が掲載できないことによる収入減

これらの課題をクリアし、ペーパーレス後も、会員の方々に「利便性が上がった」と感じていただくためには…

  • 適切なオンラインジャーナルの発行
  • SNS/メールマガジンによる情報発信
  • 学会Webサイトでの公開

という、様々な角度から、読者に向けて適切な情報発信を行っていくことが必要になります。

オンラインジャーナルサイトの役割

オンラインジャーナルといっても、その公開方法は多岐にわたります。その中で弊社がお勧めするのは、どんなデバイスでも読みやすい「全文HTML」のオンラインジャーナルです。
J-STAGEなどで見かける国内のオンラインジャーナルは、いまだに本文がPDFで掲載される「書誌公開」形式が数多く見られますが、海外の主要オンラインジャーナルでは、本文全文がHTMLにて掲載される「全文HTML公開」がスタンダードです。全文HTML公開をおこなうことで、スマートフォンやタブレットなど、小さなディスプレイのデバイスにおいても文字が流動的に順応した表示となるため可読性が向上します。また、引用文献にリンク機能が付加されれば、外部サイトへ直接遷移することができて利便性も向上します。

SNS/メールマガジンの役割

ペーパーレス化となると今までお手元に届いていた冊子がなくなるため、新刊の発行に気付かない場合がございます。せっかくオンラインジャーナルサイトにて公開された情報も気がつかなければ無駄になってしまいます。
その対策としてSNSやメールマガジンを活用すれば、ジャーナル発刊のご案内や会告、またその他さまざまなお知らせを一覧にして周知することが可能です。デザインを施したHTMLメールを用いれば、会員の方々へ視覚的な訴求力があるためより効果的です。
昨今はXやLINE、Facebookといった様々なSNSがあり、多くの方々が利用されております。即時的により多くの人々へ情報を届けることが可能なSNSにて情報発信を行うことで、会員の方だけではなく、会員以外の方々へも情報発信を行うことが可能です。

学会Webサイトの役割

様々な情報コンテンツを整理し、構造化して蓄積させる

雑誌がなくなった際に、情報を掲載し、残していくのは学会Webサイトがメインとなります。お知らせや会告はもちろん、ありとあらゆる学会様情報コンテンツをサイト内に蓄積させ、メールマガジンで該当の情報ページヘリンクさせることが必要となります。そのためには、どのような情報がどこにあるかが分かりやすく整理され、構造化することが必要となります。

小ロットの冊子作成

印刷、発送コスト削減やデジタル環境の普及に伴う、学術ジャーナルのペーパーレス移行は現在すべての学協会様の課題になっていると認識しております。ただ、急激に発行形態を変更することは、読者へのサービス低下と会員の方に捉えられる可能性がございます。その対応策として、会員区分ごとに段階的にペーパーレスへ移行するなど、時間を掛けて情報発信方法の変更を浸透させていくことが重要であると考えています。
また、学術ジャーナルの会員向け頒布分のペーパーレスへの移行を実施した場合でも、学会事務局様でのアーカイブ用や編集委員の先生方のみ向けの冊子印刷を継続したり、紙媒体をご希望される方には冊子を販売したりする場合もございます。
このような状況に対応するために杏林舎では小ロット対応が可能なオンデマンド印刷のサービスを提供しております。従来のオフセット印刷機を中心とした印刷方式では数千~数万部の制作には適しておりますが、数百部以下の制作においてはデジタルプリンターを利用したオンデマンド印刷が力を発揮します。
必要な数だけ制作するため余剰在庫を抱える必要がなく、保管コストや廃棄ロスも最小限に抑えることが出来ます。

各サービスの詳細な内容や、これまでの実績・具体的な事例もご紹介可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。