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合理的配慮の義務化~誰もが平等に社会に参加できる世の中に~

(第11回:2025年2月)

障がいのない人には簡単に利用できる設備やサービスも、障がいのある人にとっては利用がしにくく、不便さや障壁(バリア)を感じることがあります。

例えば、車いす利用者が買い物をしたいお店には階段しかなく、入ることができない。視覚障がい者が飲食したいお店はタッチパネル式の注文方法だけで、注文ができない…など、さまざまなシーンで困難な状況が起こります。

障がいを理由にバリアを感じ、あきらめることがない社会を実現するため、障害者差別解消法が改正。令和6年(2024年)4月1日から事業者による障がいのある人への合理的配慮の提供が義務化されました。

事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化 | 政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5611.html

「合理的配慮の提供が義務化」とは?

合理的配慮とは、誰もが平等に日常生活や仕事などの社会活動に参加できるように、バリアを取り除く(バリアフリー化する)ための、特別な配慮や調整を指します。

例えば、飲食店で車いすのまま食事ができるようスペースを確保する、視覚障がい者からはタッチパネルではなく直接注文を聞くなど、障がいのある人から「サポートしてほしい」という意思表示があったときに、負担になりすぎない範囲での対応をするということです。

相手の状況を理解し、対話しながら、お互いが納得できる改善・対応方法を考えることが重要です。

なお、現時点で合理的配慮の提供義務に違反したとしても罰則はありませんが、差別行為が認められたり、対応に何かしらの問題があった場合に、行政からの助言や指導などが行われることがあるそうです。

困難な状況を事前に起こさないための「環境の整備」

店舗の入り口にスロープを付けたり、エレベーターのボタンに点字の案内を追加するなどの対策を「環境の整備」といいます。

この準備をあらかじめしておくことで、障がいのある人が困難な状況になることを避けられたり、合理的配慮の対応のしやすさにもつながります。

設備だけでなく、情報サービスにも環境の整備は必要です。障害者差別解消法では、Webサイトにおけるアクセシビリティを「環境の整備」として、事業者の努力義務に位置づけられています。

アクセシビリティとは?

アクセシビリティとは、「アクセスのしやすさ、利用しやすさ」を意味し、すべての利用者が製品や機器、サービスを円滑に利用できることを指します。

Webサイトにおけるアクセシビリティは「Webアクセシビリティ」といい、WebサイトやWebアプリケーションがさまざまな環境(場所・通信・デバイスなど)からアクセスができ、誰もが円滑に利用できるようにするための考え方、その実践です。

Webアクセシビリティは誰のためのもの?

Webアクセシビリティは「障がいのある人のためのもの」と思われることが多いですが、本質は「すべての人のためのもの」です。

総務省の「通信利用動向調査」によると、2023年の国内インターネット利用率は86.2%。デジタル時代において、障がいのあるなしに関わらずすべての人が平等にWebにアクセスし情報を得ることは、基本的な権利となりつつあります。

なお、日本でのWebアクセシビリティの位置づけは「努力義務」ですが、海外ではWebアクセシビリティ=企業の社会的責任と捉えられており、行政や大企業以外でも対応がされています。将来的に、日本もそうなっていく可能性はあります。

Webアクセシビリティへの対応が「当たり前」になっている時代も、そう遠くないでしょう。より多くの人に情報を正しく伝えるために、Webアクセシビリティに取り組んでいくことをお勧めします。

Webアクセシビリティをテーマに連載を開始します!

学協会のWebサイトには、日々忙しく活動する医療従事者はもちろん、様々な悩みを抱えた市民やその家族なども訪れます。Webアクセシビリティが確保されたWebサイトの提供は、そのような人々の手助けとなる存在です。

Webの豆知識では、学協会のWebサイト運営に携わる皆様に向けて、日々の更新でどのようにWebアクセシビリティに取り組んでいけばいいか、詳しく解説する連載をスタートします!

第1回「Webアクセシビリティってなんだろう?」は近日公開予定です。
お楽しみに!

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