S1MNEWS No.2
※2014年3月時点の記事です
※2016年4月にCrossCheckは「Similarity Check」に名称が変わりました。
最近、学術論文のコピペなどによる不正が社会問題になっています。学術研究は過去の膨大な研究成果の積み重ねによって発展してきたものであり、論文間の引用・被引用関係は研究の正当性や信頼性を判断するうえできわめて重要です。研究者倫理に基づく正当な引用であれば、仮に引用部分が多くてもオリジナリティがあると認められる場合がありますし、引用部分が少なくてもコピペを思わせる部分があると不正論文の疑いを招きます。
この不正論文の検知に効果を上げているCrossCheckというツールがあります。CrossCheckは、iParadigms社のiThenticateソフトをベースにCrossRefが提供している剽窃検知ツールです。
昨年のS1Mユーザーカンファレンスでご発表いただきましたが、公益社団法人 化学工学会では、ScholarOne ManuscriptsTMにCrossCheckを組み込んで、不正論文の洗い出しに成果を上げています。2013年1月以降、全投稿論文を対象に、各審査段階(初回投稿受付時、審査時、採択後)においてCrossCheckを使用して既発表論文との一致部分を抽出し、その結果を編集委員が判断しています。剽窃チェックの精度が高く、論文ファイルをアップロードするだけで短時間に自動的に一致部分の抽出が行えるなど、CrossCheckはさまざまなメリットをもたらしています。
CrossCheckの利用をご希望の場合は、J-STAGE掲載誌であればJST(科学技術振興機構)へ申し込むことができます
ジャーナル・インパクトファクター(JIF)の取得・向上やPMC収載、その他ジャーナルコンサルティングのご相談はこちら (E-mail:info@seekl.jp Tel:03-3918-5005)
» 「国際標準アップデート」の詳細はこちらをご覧ください!
主な記事
■ S1M ワークショップ 開催レポート
■ 不正論文の洗い出しに威力を発揮する「CrossCheck」
■ 大学医学会情報交換会 開催レポート