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S1MNEWS No.3

第3号 特集 CSE 2014 Annual Meeting(国際科学編集者会議2014)参加レポート 不正が発覚したら、どう対応しますか?

毎年恒例の国際科学編集者会議(CSE:Council of Science Editors)のアニュアル・ミーティングが、5月2日~5日の4日間、アメリカのテキサス州サンアントニオで開催され、弊社から2名のスタッフが参加しました。

セミナーを通して様々な情報が発表されましたが、なかでも出版倫理委員会(COPE:Committee on Publication Ethics)との共同セミナー「不正の疑惑に関する調査―協力と機密性のバランス(Misconduct Investigations – Balancing Collaboration and Confidentiality)」が特に注目を浴びていました。掲載済みの論文に不正が疑われた場合、どの様に対応するべきか、どの様なタイミングで著者やその所属機関に連絡をとるべきかについて、実例を用いて、編集委員長、研究機関、弁護士がそれぞれの立場から意見を述べるケース・ディスカッションが行われました。
問題が生じた場合、または不正が疑われた場合の対処法について、三者ともに「COPEが発表しているフロー(右図参照)を参考に進めるべきである」との意見を述べていました。また、調査には著者の所属研究機関の協力が不可欠であるため、ジャーナルの運営側は研究機関の協力を得るための努力も必要であるというのも三者共通の意見でした。不正の発覚はジャーナルと著者だけでなく、著者の所属研究機関の信用にも大きな影響を及ぼすので、解明していくための協力体制が重要になるとの見解です。
これに関連して、「不正を指摘する際の障壁とリスク管理」に関するセミナーがいくつか開催されました。そこで発表されたリスクと障壁は以下の通りです。

① 不正があったという前提で、確証を得ないまま調査を進めてしまうリスク
② 著者の経歴に大きな傷を付けてしまうリスク
③ ジャーナルの信用に著しい傷を付けてしまうリスク
④ 疑惑について著者に問い合わせた際に、一切回答がない
⑤ 著者の所属機関が不正の事実を認めない
⑥ 著者や研究機関によるジャーナルに対する訴訟リスク
⑦ 著者や研究機関による不正を告発した査読者に対する訴訟リスク

特に訴訟リスクについては、不正が明らかではない場合、その真相は著者本人しか分からないことが多いため、調査には慎重なステップを必要とすること、そして著者が所属する研究機関が信頼低下を恐れ、その防御策として訴訟を起こす可能性が高いとのアドバイスが弁護士からありました。また、それらのリスクに国境はなく、国を越えて訴訟に至る可能性があるとも指摘されました。
今回のCSEミーティングではその他にもOpen Accessの現状やOpen Peer Reviewに関する報告、そして現在、学術出版業界で世界的に問題になっているPredatory Publishingに関する報告などがありました。これらの情報は「あんずジャーナル」等で公開していく予定です。

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S1MNEWS2014年6月27日発行 第3号

主な記事
■ ScholarOne Manuscripts User Conference 2014 in アメリカ
■ 国際科学編集者会議(CSE)参加レポート
■ 査読依頼への返答に対するリマインダーメールの設定

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