S1Mユーザーカンファレンス 2013 レポート
11月12日、秋葉原コンベンションホールにて、ScholarOne ManuscriptsTM(S1M)ユーザーカンファレンス 2013が開催されました。昨年10月に行われた初めてのカンファレンスでは、ユーザーの皆様より大変ご好評をいただきまして、今回、2回目を開催することになりました。
開催主旨としては、
- 他ユーザーの事例紹介から「実践的な活用方法」を学んでいただく。
- 学術ジャーナルの国際競争力・発信力強化について最新情報と基本情報を共有していただく。
など、快適にS1Mをご利用いただくための情報を提供するだけではなく、グローバルな視点で学術ジャーナルを考えるというものでした。
講演内容
最新の利用状況
「S1Mをめぐる様々な数字から、現況を紹介」
杏林舎(嶋田)
統計と合わせて昨年対比などの紹介。最新の数字として顧客数(学協会・出版社)=376(昨年対比約50増)、ジャーナル数(S1Mサイト数)=4,951(昨年対比約300増)と順調に数字が伸びているようです。
基調講演
「Web of Scienceジャーナル収録基準と、ジャーナル国際競争力・発信力強化について」
トムソン・ロイター様
ジャーナルの国際競争力・発信力強化のためにはインパクトファクターに関する知識を習得し、自誌や競合誌の状況を理解することが必要不可欠であるようです。
ユーザープレゼンテーション
「Reportの運用事例」
日本農芸化学会様
S1Mのレポート機能を編集委員会資料や査読者リストの作成等、様々に活用されているとのことです。S1Mをご利用になられてから良くなったこととして、「査読遅延論文の減少」「Proxyやrescindの使用によって事務局が査読者の手助けをできる」など多数の利点をご紹介いただきました。
「S1Mを便利に使うための設定」
杏林舎(山田)
査読者のコメントファイルを結果通知に自動添付する設定、論文の抽出方法などの説明。レポート作成については、意見交換会で多数の学協会様より詳細なご質問をいただきました。
「FAQ紹介:サポートセンターによくある質問」
杏林舎(真鍋)
ユーザーの皆様より日頃よく寄せられる質問をトップ5としてランキング化し、解決策や操作方法を説明。トップ5以外でも重要なトピックはレジュメに含め、参加者の皆様に特典として配布しました。
特別講演:学術ジャーナルのグローバル化を考える
「電子ジャーナル時代 国際情報発信強化とはなにか」
日本動物学会様
ジャーナルとして、「収益がある」ことが国際競争力の強化につながるとのご説明がありました。収益があれば、「商業出版社が当たり前のようにお金をかけて行っている宣伝販売手法」を見習い、実践することも可能で、それがジャーナルの国際発信力強化につながるなど、とても分かりやすく説得力のあるご講演でした。
「研究者にとっての英語―研究者はどのような英語サポートを求めているか―」
クリムゾン インタラクティブ ジャパン様
英文校正サービス「エナゴ」についてご説明がありました。また、某トップ大学に在籍している320名の研究者を対象としたアンケートの結果が発表され、「表現のバリエーションが少ないため、魅力的な文章にならない」などたくさんの研究者が英語論文の作成時にお困りになられていることが分かりました。
「バージョンアップ情報(新機能の紹介)」
杏林舎(鳥海)
年4回定期的に行われるS1Mのバージョンアップ。今年は1・5・8月と既にアップデートされ、次回は12月8日に予定されています。また、システムの仕様でお困りのことをScholarOne IDEASに投稿して開発元へ改善を呼びかけましょうとお勧めしました。
J-STAGEにおけるCrossCheckの活用
科学技術振興機構様
剽窃検知ツール「CrossCheck」の機能紹介とJ-STAGEでの利用条件などのご説明がありました。日本でご利用されているジャーナルはまだ少数のようです。
ユーザープレゼンテーション
「CrossCheckの運用事例」
日本化学工学会様
CrossCheckを一番ご利用になられている学会様です。実際の作業状況からその利便性や注意事項のご説明がありました。Similarity Index Percentage(一致率)に関しては、実例を上げながら、一概に○○%はOKで××%はダメと線引きできないなどの説明があり、参加者の皆様は興味深く耳を傾けていました。
「杏林舎の今後の活動予定と、アンケートの回答について」
杏林舎(鳥海)
杏林舎による今後のユーザー向けの活動として、少数でのワークショップ計画の説明。特にご利用になられて間もないユーザーの皆様には有益な機会になるかと思います。また、事前アンケートでの質問に関しては口頭で回答がありました。
意見交換会・パネル展示
講演終了後には、普段なかなか接する機会がない他ジャーナルの編集ユーザーの方々との交流の場がありました。みなさん、和やかに会話されていました。