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S1Mユーザーカンファレンス 2016 レポート

S1Mユーザーカンファレンス

2016年10月18日に秋葉原コンベンションホールにて、5回目となるScholarOne Manuscripts(以下S1M)ユーザーカンファレンスを開催いたしました。例年通り様々なテーマを取り上げましたが、ジャーナルの編集委員長や弁護士による講演等、初めての試みもありました。(開催概要はこちら)
その他にも、様々なトピックの講演やポスター発表を行いましたので、その概要をご紹介します。

講演(1):オープンアクセスとクリエイティブ・コモンズ

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事/弁護士:水野 祐 先生

オープンアクセスのジャーナルを中心に、クリエイティブ・コモンズを採用、あるいは採用を検討している学会様が増えています。そこで、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの理事で弁護士の水野祐先生をお招きし、クリエイティブ・コモンズが従来の著作権制度に比べてどこが新しいのか、その仕組み、現況、メリットとデメリット等々を幅広く、具体例を挙げながらお話頂きました。

S1M機能紹介① S1Mに設定可能なオプション機能

杏林舍:真鍋

S1Mに設定できる査読依頼の便利な機能と外部サービスを利用したオプション機能をご紹介しました。

講演(2):ワイリー社による査読に関するオンライン調査結果:査読者の望むインセンティブとトレーニング

ワイリー・パブリッシング・ジャパン株式会社:八幡 智雄 様

Wiley社が実施した大規模な査読と査読者に関する調査結果を提示しお話頂きました。大多数の研究者は査読が重要なものであり、査読に対する期待度も高いと考えています。しかし同時に、査読の過程にはまだ多くの改善の余地が残っているとも考えています。改善の為には、査読者の数を増やし、トレーニングを行い、適切に評価することが大切であると述べられていました。

S1M機能紹介② S1Mでの査読実績と評価について

杏林舍:山田

S1Mを利用した査読を評価する機能(Rate Reviewer)と査読実績を外部サービスへ送る機能(ORCID、Publons)についてご紹介しました。

講演(3):ジャーナル制作を通じた研究者支援の原点

Clarivate Analytics:棚橋 佳子 様

新社名「Clarivate Analytics」の概要をご紹介された後に、ジャーナルの引用状況、研究者のプロフィールの把握、ORCIDとの連携など、Web of Science の可能性について述べられました。

講演(4):Journal of Occupational Health(JOH)の取り組みと成果

北里大学医学部公衆衛生学教授、日本産業衛生学会編集委員長:堤 明純 先生

杏林舍が編集のサポートを行なっているJournal of Occupational Health(JOH)について、JOHが抱えていた課題とそれを解消するためにどのように取り組まれて来たかをお話いただきました。実際の体験を基にしたお話には説得力があり、特に過去数年に比べて昨年は投稿数が増え、査読にかかる日数が少なくなった等改善を示すデータを発表された際には、参加者の皆様が興味深く聞き入られていました。

J-STAGEの新しいインターフェース「J-STAGE評価版」のご紹介

国立研究開発法人 科学技術振興機構:藤田 隆 様

J-STAGEの次期開発に向けて、一新した画面インターフェースを試験的に公開している「J-STAGE評価版」のご紹介をいただきました。

S1M機能紹介③ S1Mのバージョンアップについて

杏林舍:鳥海

S1Mで今後追加される機能や強化される機能についてご紹介しました。

ジャーナルの国際発信力強化に向けて

Clarivate Analytics:増田 智子 様

学会の国際的な認知度を向上させる為のマーケティングについて、メール配信サービスWoSAC等を含めて解説されました。

杏林舍が考えるジャーナル制作におけるシームレスフロー
~オンラインPDF校正+進捗管理システム「Kops」のご紹介~

杏林舍:片山

「論文の投稿から公開までを全てをオンラインで!」をキャッチフレーズに、S1Mから入稿した後の制作~公開までの工程をシームレスにオンラインで行うフローとして、ジャーナル制作に特化した進捗管理システムKopsのご提案をしました。
意見交換会では、「制作会社への入稿方法」や「著者校正」についてなど、ジャーナルに編集に携わる方々ならではの視点から多くのご質問をいただきました。

意見交換会&ポスター展示

Wiley社発表の「査読者の望むインセンティブとトレーニング査読に関するオンライン調査結果」や、Clarivate Analyticsによる「国際発信力の強化に向けてコアジャーナルの意味を知る~Web of Scienceと、そのコンテンツ拡充の方向性~」や、J-STAGEのNEWインターフェイスの解説、また「杏林舎が提供するジャーナル・マネジメントに関するサポート業務の紹介」など、例年通り、ホワイエには講演内容に関連したポスターを数多く展示いたしました。
カンファレンス終了後には、恒例の意見交換会が開かれ、多数の方々がご参加になりジャーナルの編集担当者様間で交流を図られていました。

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