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あんずジャーナル

2023年9月15日 製品・サービス »ScholarOne

英文誌だけじゃない! 実は和文誌も収載しているデータベースって?

ジャーナルをより多くの読者に届けるためには、ジャーナルの露出機会を増やして多くの人に知ってもらう必要があります。

そのために著名なデータベースに収載されることはとても効果的な方法です。英文誌ではPMC(旧PubMed Central=米国の国立医学図書館が提供する生物医学・生命科学系オンラインジャーナルの論文アーカイブ)が有名ですが、PMCに収載されたジャーナルの掲載論文はPubMed上で全文が公開されます。PubMedといえばライフサイエンス系文献の検索エンジンとしては世界最大級ですので、潜在的な読者層が大きく広がります。実際に杏林舎でコンサルティングを行っているジャーナルでもPMCに収載されたことがきっかけで論文の閲覧数が増え、海外からの投稿が大きく増えたという事例があります。

ではこうしたデータベースに和文誌が収載されるにはどうすればよいでしょうか?

各データベースは収載対象となるジャーナルの条件を公開していますので、まずはそちらを確認してみましょう。以下に代表的なデータベースをご紹介します。

Directory of Open Access Journals(DOAJ)

DOAJは“信用できる”オープンアクセス (OA) 誌のデータベースです。2000年代以降数えきれないほどOA誌が登場していますが、中には投稿料の搾取を目的としたジャーナル(通称ハゲタカジャーナル)もあり大きな問題となっています。DOAJは独自にOA誌を審査し、国際的な基準を満たした“信用できる”OA誌のみを収載したデータベースです。DOAJに収載されることはジャーナルが国際的基準を準拠しており、かつ信用できるOA誌であることの客観的な証明といえます。他のDBとは審査基準が異なり、きちんと準備を進めれば比較的収載されやすいので、OA誌が最初に目指すデータベースとしてもおすすめです。

【対象ジャーナル】
・国際基準への準拠:必須
・ジャーナル言語:全般
・分野:全般
・発行形態:オープンアクセス

 

Web of Science - Emerging Sources Citation Index(ESCI)

ESCIはClarivate Analyticsが提供するWeb of Science (WoS) を構成するデータベースの一つです。2015年に登場し、小規模でも存在感を放つジャーナルや成長過程にある分野のジャーナルも収載対象としています。WoSは世界有数の学術情報データベースであり、これまで収載されるとジャーナルインパクトファクター(JIF)が付与されることから非常に人気のあるデータベースです。一方でインパクトの大きいジャーナルだけを収載していたことから、収載のハードルが最も高いデータベースの一つでした。
しかしESICの登場によって収載の間口がぐっと広がり、また2023年からはESCIの収載誌にもJIFが付与されるため、これまで以上に注目を集めています。

【対象ジャーナル】
・国際基準への準拠:必須
・ジャーナル言語:全般
・分野:科学系全般
・発行形態:全般

 

PubMed – PMC

PMC(旧PubMed Central)は米国の国立医学図書館が提供する生物医学・生命科学系オンラインジャーナルの論文アーカイブです。PMCに収載されたジャーナルの掲載論文はPubMed上でフルテキストが一般公開されることになります。 MEDLINEに比べると審査が通りやすいといわれていますので、生物医学・生命科学系でオープンアクセス化している英文誌にお勧めです。

【対象ジャーナル】
・国際基準への準拠:必須
・ジャーナル言語:英文誌のみ
・分野:生物、生命科学系
・発行形態:オープンアクセス誌のみ

 

PubMed – MEDLINE

MEDLINE(Medical Literature Analysis and Retrieval System Online)は米国の国立医学図書館が提供する生物医学・生命科学系の文献の書誌情報オンラインデータベースです。 2022年現在、世界80カ国以上の国で出版された5,600以上の学術誌が収載されています。主として、1950年代以降の生命科学に関する非常に広い範囲の文献をカバーしており、医学、薬学、看護学、歯学、衛生学、獣医学、生化学、分子生物学、植物生理学から現代的な生命科学のほぼ全領域を網羅しています。PMCあるいはMEDLINEに収載されたジャーナルはPubMedで検索できるようになります。PMCに比べると審査は厳しく厳選されたジャーナルだけが収載されています。多くが英文誌ですが条件を満たせば和文誌も申請が可能です。

【対象ジャーナル】
・国際基準への準拠:必須
・ジャーナル言語:全般
・分野:生物、生命科学系
・発行形態:全般

 

Scopus

Scopusはエルゼビアが提供する世界最大級の抄録・引用文献データベースです。世界中から集められた28,000タイトル以上の逐次刊行物(査読誌・業界誌・ブックシリーズ)や303,000タイトル以上の書籍などから9,100万件以上の文献を収録しています。
ScopusはWeb of Scienceと双璧をなす巨大なデータベースですが、小規模なジャーナルでも審査が通りやすいとされています。全分野(科学・技術・医学・社会科学・人文科学)が対象であり、英文誌のみならず一定の条件を満たせば和文誌でも申請が可能です。

【対象ジャーナル】
・国際基準への準拠:必須
・ジャーナル言語:全般
・分野:全般
・発行形態:全般

 

Engineering Village – Compendex

Compendexはエルゼビアが提供する理工学系の統合データベースであるEngineering Villageに収載されている工学分野の書誌情報データベースです。Compendexを含むEngineering Villageは世界トップクラスの工学系大学の75%以上に利用されている理工学系では世界有数のデータベースとなっています。
Compendexは工学分野では世界有数のカバー範囲をもち6,500以上のジャーナル、会議録を収録、1,500万件以上のレコードを収録しています。工学分野のジャーナルであれば英文誌のみならず一定の条件を満たした和文誌も申請が可能です。

【対象ジャーナル】
・国際基準への準拠:必須
・ジャーナル言語:全般
・分野:工学系
・発行形態:全般

 

上記は世界中で使われている代表的なデータベースの一覧ですが、対象ジャーナルを見ると言語を限定していないところの方が多いことがお分かりいただけるでしょうか。いずれも海外のデータベースですし収載誌は英文誌が中心ですが、実は条件を満たせば和文誌も収載される可能性があります。

これまで会員向けの雑誌が多かった和文誌ですが、徐々に会員外からの投稿を認めたり、オープンアクセス化を進めたりしているジャーナルも増えています。その様なジャーナルは特に会員外での認知度を上げるためにも代表的なデータベース収載を目指してみてはいかがでしょうか。

杏林舎では和文誌、英文誌どちらにもジャーナルコンサルティングを提供しています。 目標とするデータベースの選定から申請準備、データベースの窓口業務、データベース用のデータ作成までワンストップでご提供しています。

ジャーナルコンサルティングに興味を持たれた方はぜひ杏林舎までお問い合わせください。
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2023年8月17日 製品・サービス »ScholarOne

Web上の反応を計測!近年注目される論文評価指標”Altmetrics”とは?

ジャーナルを評価する指標の代表格としてJIF(ジャーナルインパクトファクター)が有名で一般的に活用されています。JIFは1つのジャーナルに掲載された論文が、過去2年間で他の論文に引用された回数をベースに算出しているため、信頼のおける指標であるといわれています。しかし、JIFには速報性がない、またあくまでもジャーナルの指標であり、掲載論文単位での評価には適格ではない、という大きな2つのデメリットが存在します。

そこで近年注目されている論文評価指標がAltmetricsです。

Altmetricsの主な評価尺度はWeb上での影響力になります。TwitterやFacebookなどのSNSをはじめ、ニュースや動画配信サイトでの反応が計測されます。
影響力をリアルタイムに指標に反映することができる速報性に加えて、論文単位で社会の論文に対する注目度や影響を評価できる指標として注目されています。JIFは学術分野からの反応のみを集計するのに対し、Altmetricsは分野問わず社会全体の反応を集計できるという特徴もあります。

また、JIFはジャーナル単位での評価指標になるのに対して、Altmetricsでは論文単位で評価が集計されます。そのため論文個別の影響力を測るのに適しています。

上記のようにJIFとは大きく違ったメリットがあるAltmetricsですが下記のようなデメリットも存在します。

  • Web上での計測が行えないテレビやラジオ、新聞などの反応は計測されない
  • 学術的価値の低い論文が注目され、評価が高くなる可能性がある
  • Web上での情報の拡散が容易にできるため不正が行われる可能性がある


今後は単に被引用回数だけでなく、Web やSNS介した影響力など様々な視点からAltmetricsが表示された論文を目にする機会が増えてくることが予想されます。
そのため、Altmetricsのメリットとデメリットをしっかりと把握してJIFと合わせて有効利用したいですね。

杏林舎では、Altmetrics の向上に有効なSNS運営サポートプランを提供しております。気になった方は御気軽にご連絡ください。
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そのほかにもジャーナル運営サポートプランがございます。詳しくはこちらを御覧ください。
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2023年6月30日 製品・サービス »ScholarOne

2誌が新たにインパクトファクターを取得!

日本時間の2023年6月28日に2022年Journal Impact Factor (JIF) がClarivate Analytics社から発表されましたが、杏林舍が創刊からサポートしている2ジャーナルが今年、新たにJIFが付与されました。

2016年の創刊準備開始の時点から、杏林舍は日本大腸肛門病学会が発行するJournal of the Anus, Rectum and Colon (JARC)、日本脊椎脊髄病学会が発行するSpine Surgery and Related Research (SSRR)の創刊に向けたコンサルティング、そして創刊後のEditorial Officeとしてジャーナル運営全般に関するサービスと課題解決のサポートを行ってまいりました。

杏林舍のコンサルティングが提供するジャーナルの成長戦略は、当初からPMCやDOAJなどのデータベース収載だけではなく、JIF取得を主眼においており、その戦略に沿って編集委員会と共に着実に準備を進めました。

両誌共に2017年の創刊と同時にClarivate Analytics 社の提供するWeb of Scienceに申請を行い、2018年からEmerging Science Citation Index (ESCI) に収載されていました。2022年10月にClarivate Analytics 社から突如発表されたJIFの付与ルール変更に伴い、2023年に発表された2022年JIFからJARCとSSRRの2誌がJIF対象となりました。

なお、JARCは1.4、SSRRは1.2という結果でした。今後はJIFの向上が両誌の課題となります。

杏林舍では、この他にも現在複数のジャーナルにJIF取得に向けたコンサルテーションを提供しています。

論文執筆時のAI利用は “要注意”

日本時間の5月18日に医学領域における国際基準を策定している国際医学雑誌編集者委員会のICMJE(国際統一投稿規定)の改訂がありました。https://www.icmje.org/news-and-editorials/icmje-recommendations_annotated_may23.pdf

今回の改訂における主な変更点ではAI を用いたソフトウエア等に関する項目が追加されました。主な内容としてはAI生成技術を著者として認める事は出来ない、また論文の執筆時や研究課程においてそれらの技術を使った場合、どの様な方法で何に使ったのか、を開示する必要があります。また、AI生成技術から得た情報を文献として引用する事は不適切であるとのことです。

それ以外にも「機密性を維持するにあたり、出版前の論文をAIソフトウエアにアップロードしてはならない」と記載があります。これが意味する事は、出版前の論文をAIにアップロードすることで、論文の内容がAIの学習機能に取り込まれてしまい、その情報が別の検索機会に活用されていくことになります。よって、この様な行為は学術出版における機密保持の侵害に繋がり、医学出版倫理上、倫理違反となります。

AI機能は非常に便利な機能ですが、使い方を間違えると知らぬ間に情報漏洩に加担している事になりかねませんので、是非気を付けて利用してください。

また、上記に付け加え、Reporting Guidelinesとして、CONSORTやCAREなどのこれまでの研究デザイン別のガイドラインに加えて、性別やジェンダーに関するガイドラインSAGERが追加されました。

S1MNEWS No.22 発行のお知らせ

お待たせしました、S1MNEWS No.22 発行しました。

特集レポート①では、前号に続き“国内論文投稿状況”の第2弾として、2018~2022年の論文投稿数の集計結果をご紹介します。
調査は、2018/1/1~2022/12/31の期間でScholarOne Manuscripts利用ジャーナルの中で5年間の投稿実績のある157誌(和文誌:94誌、英文誌:63誌)を対象としてデータを抽出し、さらに年別・月別・分野別・国別などで集計しています。
また、特集レポート②では「学術集会開催の最近の傾向」として、2021年から急速に増えてきた「ハイブリッド開催」についての実態について紹介しています。


最後に、この度弊社にてスタートした「ジャーナル診断」サービスについてご紹介させていただいています。
JIFがESCI収載ジャーナルへも付与されるようになり、様々な関連記事をネット上で見かけるようになりました。これまでよりもIF取得が容易になったことで、より多くのジャーナルが国際的な認知度を高める追い風になっているかと思います。
もしジャーナルの価値や認知度を高めるための手段にお困りのことがございましたら是非ご利用ください。
詳しくは、S1MNEWS No.22 をご覧ください。

S1MNEWS2023年5月発行 第22号

主な記事
■①国内論文投稿数の推移
■②学術集会開催の最近の傾向
■学術雑誌の知っておきたい基礎知識
■<新サービス紹介>ジャーナル診断

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