ScholarOneにまつわる最新の数字
今年も入梅の季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
総会シーズンも落ち着き始め、杏林舍では年度末を迎えようとしています。今年度の締めくくりに向けて、不安定な天候にも負けず舎員一同、本日も全力で業務に励んでおります!
さて、今回は前回記事でも話題にしました2012年4月16日から17日にかけて米国ワシントンD.C.にて開催された、ScholarOneユーザーカンファレンスで(関連記事はこちらからどうぞ)、ScholarOne代表、Keith MacGregor氏による開会の挨拶で提示された、現在のScholarOneにまつわる状況を示すいくつかの数字をご紹介します。
杏林舍が最初にコンタクトをとった2001年、ジャーナル数は400ほどでした。1年半前までは3,000ほどでしたので、飛躍的に増えていますね。
顧客数
なお、この数字は純粋な利用学協会数ではありません。たとえば杏林舍から提供している約100学協会は、まとめて「1」とカウントされているので す。実際の利用学協会数ともなると、この数字よりもずっと多いでしょうね。同様に、Wiley-BlackwellやSpringerなどの海外出版社経 由で利用している学協会もそれぞれ「1」とカウントされています。
登録ユーザー数
世界で2,000万人に届きそうな数のScholarOne Manuscriptsユーザーが存在するということは、それだけ多くの研究者にとってなじみのあるシステムであると言えますね!
保管データの総容量
単位はバイトです。わかりやすくすると95テラバイトです。2000年のサービス開始以来、何度か大きなシステムリプレースしながら進化を遂げ続けるScholarOne Manuscripts、柔軟に性能や機能を向上させております。
サポート要請割合
頻繁なシステムアップデートやヘルプサイトの拡充によってユーザビリティが向上し、投稿数に対するサポートの割合は42投稿につき1と、年々低くなっているとのことです。これは使う側にとっても提供する側にとってもうれしいことですね!
ジャーナルごとの年間投稿数の幅
1ジャーナルで年間1万2,000投稿とは気が遠くなりますが…。管理体制に興味津々です。
全ジャーナルの合計年間投稿数
2007年からのScholarOneへの全投稿論文数の推移は以下の図に示されています。
毎年、20万投稿は確実に増加しています!
ScholarOneの公式サイトではあまりこの数字が更新されませんが、販売代理店としてはとても気になるデータです。
近いうちに、大手海外出版社Elsevierが独自システムへの移行を完了させ、 競合製品Editorial Managerの顧客から抜けることで、オンラインピアレビューシステムは3強時代に入ることが予想されますが、その中でのシェアはScholarOne Manuscriptsがトップを独走することになるでしょうね!販売代理店である杏林舍としては、とてもわくわくしております。今後の展開が楽しみですね!
2012 ScholarOne ユーザーカンファレンス in ワシントンD.C.
4月16日から17日、2012年ScholarOneユー ザーカンファレンスが米ワシントンD.C.にて開催されました。ScholarOneユーザーカンファレンスでは、毎年欧米を中心に世界中の学術出版社や 学協会関係者が集い、最新の学術情報やScholarOneに関連するセミナー・ワークショップが行われております。
こちらがメイン会場となったOmni Shoreham Hotelです!
ロンドンで開催された昨年に続き(関連記事はこちらからどうぞ)、今年も弊社のScholarOneチームメンバーが参加いたしました。今回の参加者数は250名を超え過去最高となり、メイン会場には、なんと米大統領就任式も行われるOmni Shoreham Hotel内の広大な会議場を使用した大規模なものとなりました!
メイン会場内の様子。過去最高の参加人数です!
このカンファンレンスでは2日間に渡ってたくさんの有益な基調講演やセミナー・ワークショップが行われました。内容の一部を紹介します。
- 基調講演: 世界的な論文投稿の潮流分析
- ScholarOneを使った出版社ごとの戦略分析
- 出版社にとって、デジタルデータを保持する意義とは?
- レポート機能のワークショップ
- ScholarOne新機能: 要望を集め、有益性を投票する新サイトのワークショップ
- ジャーナル運営にあたり、今後の戦略/現状分析の方法の紹介
- さらに大幅強化されたレポート機能のレクチャー
- 今後のバージョンアップの展開
などなど、その他にもたくさんの情報を得ることができました。
また、このカンファレンスではScholarOneを利用しているユーザーの立場から、独自のテーマを決めてプレゼンする枠が設けられています。弊社の代表者もプレゼンの場を頂くことができました。
せっかく英語圏の方々に向けた場ですので、「非英語圏の立場からの ScholarOne Manuscripts」というテーマの下、以下の内容についてプレゼンしました。
- 杏林舍とScholarOneの関係(Thomson Reuters合併以前からのつながり)
- 非英語ジャーナルからの利用ニーズとS1M日本語版の開発
- 日本語版開発からJ-STAGE採用、利用ジャーナルの爆発的増加の流れ
- 非英語ジャーナル独特の問題感覚
- 非英語ジャーナルと英語ジャーナルを共存させるTips
- ユーザーの仕事を効率化させている要素は何か
その日の終了後のパーティでは色々な方に声をかけられ、「とても興味深かった」「普段日本の話を聞く機会がないから面白かった」などの感想をいただきました。反応をいただけるのはとてもありがたく、うれしいことですね!
ScholarOne Manuscriptsの世界展開は、日本以外では(中国も含め)すべて各地域のThomson Reutersがみずから販売・サポートを行っていて、代理店の形式を取っているのは杏林舍だけです。
これからも「杏林舍だからこそできる」サービスを生かしてScholarOne Manuscriptsを提供していこうという思いを一層強めました。