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あんずジャーナル

2024年2月16日 お知らせ

ICMJEアップデート<2024年1月>

2024年1月に医学領域における国際基準を策定している国際医学雑誌編集者委員会のICMJE(国際統一投稿規定)のアップデートがありました。
https://www.icmje.org/news-and-editorials/icmje-recommendations_annotated_jan24.pdf


今回のアップデートは主に下記の3点です。

  • Authorship
  • ‐AI機能の利用と開示
  • ‐医学ジャーナルと炭素排出量

まずAuthorshipについては近年低中所得国で集められたデータを基にした論文で、それらの国の現地研究者を著者から除外する事案が多くみられるため、ジャーナルはその様な可能性がないか、査読の際には注意を払う必要があります。もし、これらの研究者が著者として含まれていないという疑いがもたれる場合、著者にAuthorshipの正当性を疑うべきである、とのことです。

AI機能の利用と開示については、著者が論文の執筆にAI機能を用いた場合、その旨を謝辞(Acknowledgement)内で開示する必要があり、また研究過程において利用した場合は「方法(method)」のセクションで詳細を説明する事が新たに求められています。

加えて既に2023年8月発行のS1M News2023年6月5日のあんずジャーナルでもお知らせしているように、査読にAI機能を利用は守秘義務違反にあたる可能性があります。このことから今回のアップデートでは査読規定内において査読におけるAI機能の利用について言及すべきであると記載されています。また、その際に査読者は事前にその利用について許可を得る必要が発生します。

その他のトピックとして医学ジャーナルと二酸化炭素の排出に関する項目が追加され、ジャーナルは、炭素排出実質ゼロの達成に向けてあらゆる戦略の策定に協力すべきであると記されています。また、研究助成金に関する謝辞の記載範囲や研究参加者の保護について、および文献の記載に関するアップデートが追加されました。

2024年2月2日 お知らせ

ジャーナルインパクトファクターのコントロール

以前の記事(参考記事:投稿数は簡単に増やせる?)では、投稿数を直接的に増やせる数少ない方法の一つとして、ジャーナルインパクトファクター(JIF)の取得をご紹介しました。

最近ではJIFのジャーナルへの付与基準が緩和されたこともあり(参考記事:インパクトファクターが当たり前の時代に?)JIF取得コンサルティングの問い合わせも急増しています。

この変更は引用の少ない分野や新興雑誌にとってはJIFを獲得する大きなチャンスである一方で、既にJIFをもっているジャーナルにとってはネガティブな影響をもたらす可能性があります。
これまでJIFはフラッグシップコレクションであるSCIEの収載誌にのみ付与されていましたが、現在は新興ジャーナル向けのESCI収載誌にも付与され、どちらのデータベース収載誌も同一の指標で評価されるようになりました。結果、SCIE収載誌よりもJIFの高いESCI収載誌に研究者の注目が集まるという逆転現象も一部で起きています。
競争が激化することでもともとSCIEに収載されていたジャーナルであってもJIF値の低迷、場合によってはコレクションから除外(JIFをはく奪)されてしまう可能性も以前より高くなっています。

そのため今後は先回りしてパーセンタイル(領域内順位の%)やクォータタイル(領域内順位の四分位)を上げていく施策を検討、実施することでJIFをコントロールすることの重要性が高まっていくと考えられます。なおJIFは相対的に評価するものですので、数値としてJIFが上がっていくことよりも領域内での順位や四分位が上がることの方が重要です。

JIFを取得するまでの重要なポイントは

  1. 最新の国際基準に準拠し、変更にキャッチアップする運営体制
  2. ジャーナルポリシー誌面に反映させる編集体制
    ですがJIFを維持・向上させていくにはそれにプラスして
  3. どんな論文がどんな属性の著者に引用されているのか、自誌の引用傾向を決定づける要因が何なのかを特定し、そこにマッチする施策をピンポイントに実施する
  4. 領域内の他ジャーナルの引用傾向と要因を知ることから、他誌の戦略を知り自誌の運営へ応用する

ことが必要になってきます。このような分析を行うことで初めて広報などの施策が有効なものとして設計できるようになります。

またこういった分析を用いた長期的な戦略と併せて掲載論種のコントロールなど、短期的な施策も適宜行うことも必要です。

しっかりと分析と対策をたててジャーナルの質と価値を高めていきましょう。

私たちはJIF取得コンサルティングを始め、引用分析や他誌をベンチマーキングとした分析、広報立案などJIF取得、維持・向上を強力にバックアップします。
「JIFが低迷して困っている」「JIFとりたいけど何をしていいかわからない」といったお悩みでも構いませんので、興味のある方はぜひinfo@seekl.jpまでご一報ください。

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