国際科学編集者会議(CSE)のAnnual Meetingに参加しました!
2015年5月15-18日に開催されたCSEのAnnual Meetingに参加するために、今年もはるばるアメリカへ行ってまいりました!(CSEの概要と昨年の参加レポートはこちらをご覧ください)
今回の開催地となったペンシルベニア州のフィラデルフィアは、アメリカ独立宣言の署名が行われた地として知られ、市内には独立記念館等の歴史ある建造物が並んでいます。
また、アメリカで最大の学生人口を抱える都市の1つでもあり、緑溢れる美しい市内では、観光客だけでなく、多くの学生がアメリカの歴史や芸術に触れている姿が見られました。
フィラデルフィア美術館から見た街並み。
映画『ロッキー』で階段を駆け上がったロッキーが見た風景です。
アメリカ独立のシンボル「自由の鐘」
Annual Meetingでは、今年も多くのセミナーが開催されました。昨年に引き続き、出版倫理やオープンアクセスに関するセミナーもありましたが、今回はジャーナルのグローバル化に関するセミナーに最も関心が寄せられていました。発表者からは、より良い論文を掲載するためにはグローバル化や投稿論文に対する的確な指摘、話題性のある論文の掲載等ジャーナルの質の向上が必要であるとの話があり、セミナーの終了時間を過ぎても、質問を続ける参加者が多く見られました。
今回はセミナーだけでなく、「ショートコース」にも参加しました。ショートコースでは、「効率的なジャーナル運営」をテーマに、編集者が実践している出版フローの紹介から多忙な編集委員をサポートするための工夫まで、幅広い内容が話されました。
「セミナー」や「ショートコース」への参加を通して、昨年からのテーマの移り変わりの速さやジャーナル独自の工夫に感嘆し、新たに注目されはじめた問題に関する知識や対応力を身に付ける必要性を切に感じました。
Annual Meetingの会場風景
今回のAnnual Meetingで得た情報は、今年開催するScholarOne Manuscripts (S1M) ユーザーカンファレンスや、6月末発行予定のS1M NEWSで詳細をお知らせします。
S1Mユーザーカンファレンスの概要が決定しましたら、弊社HP上やメールでご案内いたしますので、皆様奮ってご参加ください!
工場見学会を開催しました!
杏林舍では印刷がどのような工程で行われているのかをお見せして、杏林舍をもっと知っていただこうと、4月下旬に、弊社と取引のあるイベント運営会社の皆様を川口工場にお招きし、工場見学会を実施いたしました。
はじめに、工場内にある会議室にて、営業企画部長の金子が印刷の歴史から工場の設備や印刷工程について解説しました。活版印刷時代には、職人が活字を一つひとつ選んではめ込んでいったと、当時使用していた活字をお見せしながらお話すると、参加者の皆さんから感嘆の声が上がりました。印刷工程については、実際の「版」を使用した面付け作業をお見せし、台割の重要性について説明を行いました。終了後には見学者の方より「校了後に簡単な文字修正を依頼してしまうことがありますが、データを書き換えるのではなく、大きな版を作り直す必要があることを初めて知りました。これは、時間的にもコストの面でも大きなロスに繋がりますね」という感想も聞かれました。
いよいよ工場に入り、見学スタートです。
まずは、デジタル印刷機のご紹介。「最近では電子版の抄録も増え、必要とする人数分だけ印刷物を制作したいという少ない部数のオーダーも増えてきました…」と説明をしている間に、1冊分の印刷が完了。そのスピードに皆さん大変驚かれていました。
次に、オフセット印刷機へと向かいます。まずは印刷機の大きさに皆さん圧倒された様子です。大きな音を出しながら元気に回り続ける印刷機。それに負けじと大きな声で説明いたしました。製版機で刷られた版を印刷機にはめ、紙とインクをセットして印刷を開始します。印刷機が回っている間も刷り上がりの確認をこまめに行い、不備がないかチェックしています。そうしてようやく印刷が完了しました。
最後に杏林舍の歴史が詰まった資料室をお見せしました。活版印刷で作られた数十年前の雑誌や抄録集を手に取り、「様々な学会の歴史がわかる貴重な場所ですね」との嬉しいお言葉も聞かれました。見学会終了後には、「印刷に関する理解が深まり、仕事を進めていく上で大変有益でした」との感想もいただきました。
このような見学会に興味のある企業や学協会様は是非ご連絡ください。杏林舍の業務についてご説明させていただきます。
ScholarOne Manuscripts User Conference 2015 in リスボン 参加レポート
2015年4月17、18日に開催されましたScholarOne Manuscripts (S1M) User Conferenceに参加しました。
S1M User Conferenceは、年に1回、S1Mの開発元であるThomson Reuters(トムソン・ロイター)が主催となり、世界各国のユーザーを招いて開催されるカンファレンスです。毎年開催地が変わり、今年はポルトガルのリスボンにて行われました。
石畳が印象的なリスボンの街並み
今年の参加者数は約90名で、欧米からの参加が多く、出版社、主要ジャーナルの編集担当、また、ScholarOneのサポート拠点であるセルビアのスタッフも参加していました。
カンファレンス前日には、トムソン・ロイターのS1M開発スタッフと打ち合わせを行い、新たに提供された外部サービスとS1M の連携について説明を受け意見を交わしました。
FundRef(研究助成情報を提供するシステム)の利用状況を確認したところ、日本以外のほぼすべてのS1M利用ジャーナルにおいてFundRefとの連携機能を登載しているとのことに驚かされました。Reviewer Locator(Web of Science内のデータから査読候補者を自動的にリストアップする機能)は、有料オプションの機能であるにも関わらず、非常に好評のようですので、今後、国内のS1M利用学協会の皆様にもご案内していきます。
カンファレンスは、ScholarOne事業のJessica Turner氏の挨拶からはじまり、新たに統括担当となったJosh Dahl氏より、S1Mの今後の展望についての話があり、一層のユーザービリティ向上ための大幅なレイアウト改善について大きく取り上げていました。
基調講演は2つ行われ、それぞれ、出版倫理と新興国の投稿数増加について取り上げていました。出版倫理については、CrossCheck(剽窃検知ツール)やCrossMark(出版済み論文の進捗確認ツール)などを用いた不正の調査、あるいは、ガイドラインや規定を固めるなどの内容でした。新興国の投稿数増加については、過去10年間で中国からの論文投稿が増えたことに付随して、INASP(International Network for the Availability of Scientific Publications)やNIH(National Institutes of Health)が新興国の学会に対して行っている資金面や人材面での支援活動についての内容でした。中国では政府が積極的に助成を行っていることで著者の質は高まってきていますが、著者だけでなく審査側の人材も含めて教育活動を継続していく必要があるようです。
その他、S1Mユーザーによるジャーナルの様々な取り組みについての発表がありました。
ScholarOneの統括担当に就任したJosh Dahl氏
初日に行われたレセプションの様子
今回のS1M User Conferenceで得た情報は、次号のS1M NEWS(6月発行)や今後のワークショップでも皆様に共有させていただきます。
「Webの豆知識」はじめます!
日頃、Webサポートサービスで更新や運営のお手伝いをさせていただく中で、よく聞かれるご質問や、お問い合わせがあります。同じようなお悩みや疑問にぶつかっているお客様がたくさんいらっしゃることに気がつきました。
そんな様々なお悩みの解決のために、「Webの豆知識」をはじめます!
簡単な言葉でわかりやすくご説明しますので、少しでも、皆さまのお力になれれば幸いです!
テーマは、「更新箇所が直っていない?」「PDFのAcrobatとReaderの違いって?」「ファイアーウォールって何?」・・・などを考えています!
もちろん、こんな時はどうしたらいいの?というお悩みも、今までと変わらず、Webサポートサービス、または弊社営業へお気軽にお問い合わせください。
どうぞ、お楽しみに!
日本医学会総会に出展しました。
4月10日から13日に京都で開催されました第29回日本医学会総会2015関西に杏林舍が出展しました。
ブースの壁面には本棚を設置し、杏林舍で制作した学会誌やガイドラインなどを並べました。その数40冊以上です!その左には、電子書籍サービス「KaLib」を利用しているジャーナルが並ぶ本棚の画面を大きく印刷して展示しました。さらに、昨年12月にリリースされた日本医師会の電子書籍サービス「日医Lib」についてもチラシをお配りして説明いたしました。
▲当日配布したチラシの一例
ブースに立ち寄って本棚から雑誌を手に取ってご覧になる方はもちろん、「KaLib」の画面の展示を見て「(購読しているジャーナルが)電子書籍になっているとは知らなかった!」と、お手持ちの端末にその場で「KaLib」をインストールしてくださる方もいらっしゃいました。
また、学術誌のあり方や情報収集の仕方などをお尋ねするアンケートを実施しました。「学術誌は早く電子化を進めてほしい」「(KaLibは)どんどん機能を充実させて使い勝手を良くしてほしい、期待している」といった励みになるご意見、「もっと読みやすさを追求するべき」といった厳しいご意見もありました。
今回いただいたご意見は、弊社のサービスや商品展開に反映させていただきます。
お忙しい中ご協力いただきまして、ありがとうございました。